ミルチという愛称で親しまれている「明治ミルクチョコレート」。
1926年9月13日に明治製菓(当時)から発売された人気のチョコレートです。
チョコレートなどの西洋菓子が、まだ高級商品として扱われていた大正時代。
ライバル企業だった「森永製菓」が、1918年に「森永ミルクチョコレート」を発売していたこともあり、明治製菓も西洋菓子の普及を目的として「明治ミルクチョコレート」を発売し人気商品となりました。
1957年には、従来のミルクチョコレートより厚型にした「明治ミルクチョコレートデラックス」を発売。亀倉雄策さんよる斬新なパッケージデザインも話題となりました。
1967年には、まろやかな濃いミルク感が特徴の「明治チョコレート・ハイミルク」と、上質な苦みが美味しい「明治ブラックチョコレート」を発売、「板チョコトリオ」と呼ばれ、それぞれが人気の商品となりました。
「チョコレートは明治」というイメージをつけたのは、美味しさはもちろんですが、テレビCMによる効果も大きかったと思います。
「明治ミルクチョコレート」のCMといえば、中森明菜さんや桑田佳祐さんもCMで歌った「チョッコレート、チョッコレート、チョコレートは明治♪」という「明治チョコレート・テーマ(作詞作曲いずみたく)」が有名ですが、1972年に発表されたCMでは著名人ではなく、なぜかゴリラを起用したCMもありました。
登場するゴリラ(声:3代目三遊亭圓歌)が、社長の代理という設定で「チョコレートは明治なんだ!」「チョコレートは明治なんですよ!」とメモを見ながら喋る姿は可愛くもインパクトのあるCMでした。
こうして、名実ともに明治の看板商品となった「明治ミルクチョコレート」は、ギネス世界記録に認定される「本物の看板」にもなりました。
2011年、大阪府高槻市にある大阪工場に、ミルクチョコレート約38万枚分(高さ27.6メートル、幅165.9メートル)の大きさとなる巨大なチョコレートの看板を設置。
世界最大のプラスチック製広告看板として、2011年12月にギネス世界記録に認定されました。
その後も、一口サイズの「ボックスタイプ」や、手につきにくい「粒タイプ」など時代に合った新商品を発売。
発売90周年となる2016年9月13日には「板チョコトリオ」に「明治ホワイトチョコレート」を加えた4品を「明治スタンダードチョコレート」と位置づけリニューアル、発売当時のレシピを継承しながらも、美味しさの進化は現在も続いています。