昭和20年から30年にかけ、日本で流行した「きいちのぬりえ」。
昭和の少女たちの心を捉えた「きいちのぬりえ」は、現在でも年代を問わず絶大なる人気を集めているぬりえです。
「きいちのぬりえ」の魅力は三等身の少女絵。
大きい顔と太い脚、愛らしい瞳の女の子の画風が特徴的で、その作品からは当時の少女達の憧れや夢のファッション、生活様式などが感じられます。
この「きいちのぬりえ」は、1947年(昭和22年)に作者「蔦谷喜一(つたやきいち)」さんが「きいち」という名でぬりえを発表、制作と販売を開始すると平均月100万セット、最高時には160万セットを販売する大ヒットとなりました。
作者である蔦谷喜一さんは、昭和40年頃までぬりえ作家として活躍、晩年は風景画や美人画でも才能を発揮し、制作活動は平成17年に91歳で亡くなるまで続けられたそうです。
蔦谷喜一さんの作品にふれられる場所が、東京都荒川区にある「ぬりえ美術館」。
ぬりえ美術館では、ぬりえを塗るだけではなく、ビーズやレース、ボタンなどでデコレーションする進化したぬりえ「デコぬりえ」も体験でき、ぬりえの歴史はもちろん新しいぬりえにも出合える美術館です。
ぬりえ美術館HP → こちらから
近年は、その画風が昭和レトロな雰囲気で懐かしいと再評価され、復刻版が販売されるなど、時と世代を超えて愛され続ける「きいちのぬりえ」。
大人になった今、子供だったあの頃に戻って、もう一度ぬりえをしてみるのもいいかもしれませんね。