一般応募者から選ばれた精鋭達が、難攻不落の城「たけし城」の落城を目指す「痛快なりゆき番組 風雲!たけし城」。
1986年5月2日から1989年4月14日まで、TBS系列で毎週金曜の20時に放送された視聴者参加型のアトラクションバラエティ番組です。
「痛快なりゆき番組 風雲!たけし城」は、城主であるビートたけしさんと、家老(石倉三郎さん)、レギュラー守備軍(たけし軍団など)が守る「たけし城」を攻め落とすため、谷隼人さんを隊長とする攻撃軍(一般参加者)が、難関にチャレンジしていきます。
数々の難関をクリアし、最後まで勝ち残ったものだけが、城主との直接対決に挑むことができ、見事討ち落とすと賞金100万円を獲得できるルールでした。
この「たけし城」は、ビートたけしさんが「子供の頃の原っぱでの冒険ごっこや泥遊びを再現したかった」という趣向で企画がスタートしました。
神奈川県の緑山スタジオの広大な敷地内に、総工費1億円をかけ「たけし城」を建設、その豪華なセットと、一般参加者が泥まみれや水浸しにながら数々の難関に挑戦する姿が、視聴者に笑いと感動をあたえるバラエティ番組でした。
たけし城 難関
「痛快なりゆき番組 風雲!たけし城」で人気だったのが、なんといっても豪華で工夫を凝らした難関。
ここでは、代表的な難関をいくつか紹介します。
国境の壁
まず、参加者全員に待ち受けるのが、制限時間内に2メートル以上ある高い塀を超える「国境の壁」。
谷隼人隊長の「いけー!」の号令のもと、参加者が塀を乗り越え、滑り台を滑り降りるとクリア。
竜神池
池の上のある無数の飛び石を使って、向こう岸まで渡りきる「竜神池」。
飛び石のうち半数は、水面に浮いているだけの意地悪な罠で、池に挑戦者が落ちると失格。
BGMには、映画「ランボー」の挿入曲が使用されていました。
悪魔の館
番組の初期は、12部屋に分かれた館を2人の悪魔に捕まらずに抜ける「悪魔の館」。
館の中には2人の悪魔(ストロング金剛さん・丹古母鬼馬二さん)が潜んでおり、悪魔に捕まり顔を墨で黒く塗られるか、館の周りの池に落ちると失格。
後に、部屋が18部屋、池が2ヵ所に増え、更に悪魔(亜仁丸レスリーさん)が1人増え3人にパワーアップし、難易度がアップしました。
BGMには「燃えよドラゴン」のアレンジ版が使用されていました。
ジブラルタル海峡
下に落ちないようにバランスをとり、たけし軍による迫撃砲(黒いバレーボール)を避けながら吊り橋を横断する「ジブラルタル海峡」。
後に、谷隼人隊長が放つ金のバレーボールを、挑戦者が受け取るルールを追加し難易度がアップ。
BGMには、テレビ映画「コンバット!」のテーマ曲が使用されていました。
人喰い穴
5つの穴のうち、2つには悪魔(大念寺誠さんと渡嘉敷勝男さん)が潜んでいる「人食い穴」。
悪魔のいない穴に入ることができればクリア。
テレビ視聴者には、罠の穴にはドクロマークが表示されていますが、参加者は完全に運まかせでクリアを目指しました。
だるまさんがころんだ
10名の挑戦者が、巨大な「だるま」の着ぐるみを着て、坂を上っていく「だるまさんがころんだ」。
子供の遊びの「だるまさんがころんだ」の要領で、鬼役(初期はそのまんま東さん)が、挑戦者の方を向いているのに動いたり、転んで自滅しても失格となり、坂の下へ転がされてしまいます。
坂の上に到着した先着で数人がクリアとなる。
BGMは、アーケードゲーム「ソンソン」のメインテーマが使用されていました。
キノコでポン
回転する大きなキノコ型のセットにしがみつき、対岸まで渡りきる「キノコでポン」。
後に、着陸地点がコース途中の浮島に変更され難易度が増しました。
BGMには、映画「インディ・ジョーンズ」のテーマ曲が使用されていました。
最終戦
すべての難関を突破すると、谷隼人隊長に「よくぞ生き残った我が精鋭達よ!」と迎えられ、最後の戦い「カート戦」に挑みます。
カート戦は、攻撃軍とたけし軍が水鉄砲で互いの戦車の的を狙い、見事攻撃軍が城主の乗る「たけし戦車」の的を破くと、攻撃軍の勝利となり、的を破った挑戦者が賞金100万円獲得します。
しかし、「たけし戦車」は高速で移動したり、特製のライフル型水鉄砲の性能も高く、攻撃軍は127戦中8勝しかできませんでした。
「痛快なりゆき番組 風雲!たけし城」は、放送終了後も、様々な国で放送・製作されるなど、世界中で人気を誇る番組となりました。
日本でも、TBS系列で不定期に放送されている「SASUKE」などに、その楽しさは受け継がれています。